国立中学入試に挑むなら知っておきたいSDGsの基本知識

2人目国立中学受検記録

国立中学校の入試では、一般的な私立中ほどの難易度の問題が出るわけではありませんが、私立中入試よりは幅広い教養が求められることがあります。

作文が出題される学校では、その年の時事っぽい内容が出ることもありますしね。

最近の中学入試用の時事本で必ずと言っていいほどに出るのが、SDGsではないでしょうか。

国立中学入試に向けて、私なりにまとめたチラシ裏です。

 

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国立中学入試に挑むなら知っておきたいSDGsのこと

SDGsは、2015年の国連サミットで採択されました。

2016年から2030年までの間に国連加盟国が達成すべき17の目標をまとめたもの。

 

2015年採択なので、比較的新しいものですね!

特に話題になり始めたのは、ここ数年のような気がしますがどうなんでしょうか。

現在中学校1年生の上の子のときは、小学校で取り上げられることはなかったような気がします。

 

ですが下の子に関しては、今年の夏休みの宿題のワークブックに「SDGsについて調べよう」というものがあったんですね。

社会的な問題点をほぼ網羅しているので、今後もさらに小学校での露出度が増えてくるのかもしれません。

となると、国立中学校入試での作文課題や社会科の記述問題などで出題される可能性も増えてくるのではないかと。

 

ただ、まだ本格的に一単元として学んでいるというわけではなく、どこまで力を入れていいのか難しいところではあります。

現在4年生のうちの子が入試を迎えるころには分からないですが、少なくとも今、主要教科と同じ熱量を注ぐのはもったいないのでは、と思ったりもします。

 

だから今のところは、親が国立中入試に必要最低限の知識をつけ、

・食事中の話題として

・寝る前、布団の中での雑談のネタとして

・移動中の車の中での話題として

勉強時間以外で、知識を吸収できるようにしていくのが理想なのかなと思っています。

 

と言っても、わが家の志望校は地方の一般的な国立中学校なので、都心部の難関校ではありません。

私の判断で「どこまでが小学生の知識として必要か」を決めているので、あくまでも参考までに。

必要と思われる場合は、より深い知識を教えてあげてください。

 

国立中入試のために親がつけておきたいSDGs

SDGsは「持続可能な開発目標」のこと。

「持続可能な開発目標」というのは、

将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発

とされています。

 

(‘ω’)「環境のためにならないから、開発なんて全部やめちゃおうぜ!」

これは次世代の欲求も現在の人々の欲求も満足させるものではないので、こういう考え方ではありません。

環境保全と開発は共存しうるものっていう考えで、環境保全を考慮して節度ある開発をしていこうねっていうものです。

それを「持続可能」という表現を使ってるわけですね。

 

SDGsには17の目標と169のより細かいターゲットに分かれていますが、169のターゲットについては割愛。

まずは17の目標の把握をしていれば、小学生にとっては十分かなと思います。

 

国立中学校での出題方法を考えると、おそらくは日本が抱えている問題と絡ませるのではないかと思っています。

たとえば、SDGsの目標を一つあげて、日本での問題は何ですか?みたいな。

すべてを覚える必要はないですが、興味のある部分だけ知っておくといいのかもですね。

 

SDGsは、一つの問題に対して複数の目標が関わっていることが多いです。

厳密に考えず、イメージしながら把握していくといいかもです。

 

1.貧困をなくそう

あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。

日本が抱える問題としてのキーワードは「相対的貧困」

その地域に住む人の水準と比較して、大多数よりも貧しい状態にいる人のことを指します。

おそらく、子どもがイメージしている貧困とは違うのではないかと思います。

 

『2月の勝者』の13巻にも子どもの例が出てましたが、例えば多くの人が当たり前のように行っているイベントが同じようにできない。(クリスマスとか誕生日とか)

まったく買えないわけではないが、衣食住に必要なものが満足には買えない。

 

この問題は、所得格差や教育格差にもつながります。

 

2.飢餓をゼロに

飢餓を終わらせ、食糧安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

こちらは現代の日本ではイメージしにくい問題かもしれません。

 

日本が抱えている問題としては、必要な栄養を十分に摂取できていない人や子どもがいるということでしょうか。

こちらは1番の貧困問題にもつながります。

 

3.すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

日本では、介護を必要としている高齢者や病気を抱えている人がたくさんいますが、そういう人々すべてが、満足できる介護や医療サービスを受けているわけではありません。

この目標には、薬物乱用の防止強化も含まれています。

 

小学校では、6年生で薬物について学ぶ機会があります。

そこらへんと関連付ければ、子どもにも理解しやすいのではないかと思います。

 

4.質の高い教育をみんなに

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

義務教育がある日本では、これもまた子どもにはイメージしにくいかもしれません。

「教育を受けられる・受けられない」というよりは、「教育の質に差がある」ということに注目すると分かりやすくなる気がします。

 

東大生の親に高所得者が多いと聞くこともありますが、高所得世帯ほど質の高い教育が受けられ、低所得世帯の子ほど学力が低くなるという傾向があるとも聞きます。

こちらも1番の貧困問題とつながる部分があります。

 

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

ジェンダーとは社会的、文化的につくられる性別のことを表しますが、狭義では男性・女性であることをもとにして社会から求められる役割や与えられる機会のことを指すこともあります。

日本の重大な課題とされているものの一つ。

 

女性議員や女性管理職の割合の低さや、同じ仕事にもかかわらず男女の賃金に差がある点。

家事や育児、介護に費やす時間の差などで男女の不平等があると言われています。

共働きであったとしても、「ご飯を作るのはママ」「洗濯してくれるのもママ」

こういう切り口であれば、子どもにもイメージしやすくなるかなと思います。

 

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

日本に下水道の普及が不十分な地域があるということは、子どもにはなかなかイメージしにくいかもしれません。

都会に住む子たちはとくに、水洗トイレが当たり前になっているでしょうし。

 

それよりも少雨による水不足のほうが、日本の問題としては分かりやすいかと思います。

大きな渇水問題は10年以上前ですが、断水などがあった地域に住んでいる場合は、そういうのを絡ませて話題にするといいですね。

 

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

地球温暖化については、小学校でも授業で習うかと思います。

日本では温暖化を促進する化石燃料の利用割合が多く、再生エネルギーの普及が遅れていると言われています。

 

エネルギーについては、小学校高学年で習いますね!

省エネなどと絡ませて話していくと、理解しやすくなるような気がします。

 

8.働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

日本の問題としては、長時間労働の蔓延や非正規雇用者の増加によって、働きがいが感じられにくい社会になっているということでしょうか。

少子化の進行により、労働人口の減少から日本の経済成長も鈍化しています。

 

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

労働人口の減少に伴って、中小企業の後継者問題や老朽化しつつあるインフラの修繕が思うようにできずに深刻化しています。

財政難から大学の研究部門への助成金も削減されており、技術革新の基盤が危ぶまれています。

 

こちらもまた、小学生にはイメージしにくい目標ですね。

 

10.人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する

所得格差などの経済的な不平等、外国人や障碍者などに対する差別が見られる点。

 

こちらは小学校の道徳の授業でもよく出てくる分野であり、子どもにも理解しやすいかと思います。

年齢や性別、人種や信条、出自、経済的地位などによる差別をなくすための目標です。

メディアで取り上げられることも多いので、関連付けるといいかもしれません。

 

11.住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

現在の日本では、都市部に人口が集まり、地方の人口が減っていく傾向があります。

地方では、買い物難民やインフラ老朽化、空きや問題などが深刻化していることも。

 

年齢を問わず、すべての人が住み続けられるまちってどんな町?っていうところから考えると、子どもの頭の中にも残りやすいかもです。

 

12.つくる責任 つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する

大量生産、大量廃棄の生活は、少し前から日本で問題になっていることでもあります。

「食品ロスの多さ」は、この目標に関するキーワードにもなるかもしれません。

 

回転ずしが一定期間まわる続けた後は捨てられていること、コンビニのお弁当が賞味期限を過ぎたらすぐに捨てられていることなどなど。

子どもの身近にも大量生産大量廃棄の例はあるので、きっかけを逃さず話題にするといいですね。

 

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

気候変動とは夏の猛暑や長雨、台風の大型化による被害を指しますが、地球温暖化のことを指すこともあるようです。

 

記録的な大雨による河川の氾濫や土砂崩れなどは、記憶に新しいのではと思います。

日本は台風などの自然災害が多い国なので、子どもにも身近なのではないでしょうか。

 

14.海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

海洋資源の乱獲やごみの海への流出などなど。

 

特に最近では、プラスチックごみの海への流出が問題になることが多いです。

海にすむ生物がプラスチックを食べてしまうなどの被害も、ニュースで目にすることがありますよね。

日本人は魚介類をたくさん食べるので、影響も小さくはないかなと思います。

 

15.陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

開発によって生物多様性が失われ、林業の衰退により森林の管理が適切にできていない点。

 

こちらは小学生にも理解しやすい目標ではないかと思います。

林業が衰退していっていることは、5年生の社会科で習う分野なので、そのタイミングに合わせて話すといいかもしれません。

 

16.平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

児童虐待やDV、パワハラ問題などのない社会を実現するための目標。

 

小学生に理解させるにはちょっとヘビーな内容でもあるので、あらゆる暴力を防止するための目標とイメージしておけば大きな相違はないかなと思います。

 

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

政府開発支援(ODA)などの国際支援が、国際目標に到達していない点。

 

 

 

 

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