国立中学校受検に通用する作文力をつける問題集と勉強法は?

勉強方法

国立中学校受検対策には、必ずと言っていいほど「作文・表現力」という科目があります。

それもそのはず、国立中学校では検査項目の一つに「作文」っていうのが必ずあるからです。

おそらく公立中高一貫校でもありますし、そのウェイトは少なくはないはず。

塾ナシで受検にのぞむ場合にも、作文力向上のための対策は不可避です。

 

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国立中学校受検に出てくる作文とはどのようなものなのか?

「敵を知らなければ対策もたてられない」

ということで、塾通いの子ならその役割は先生が担ってくれるわけですが、塾ナシ受検の場合は、親が敵を知る情報収集をしなければいけません。

志望校がもう決まっているのならその学校の過去問を。

もし決まっていないのなら、どこでもいいので偏差値のレベルを見つつ何校かの過去問を。

見てみると分かると思うんですが、「これ、小学生の問題…?」と。

公園で鬼ごっこして遊んでいるような子が、すらすらと書けるようなテーマじゃありません。

昨日あったことを教えてください

そんな、日記感覚のことじゃないんですよね。

 

公立中高一貫校の過去問から抜粋すると…

あなたにとって「人とつながる」とはどういうことですか。

そのように考えた理由が分かるように、360字以上、440字以内で書きなさい。

引用:平成30年度高知県立安芸中学校

 

(問題文略)

右の文章をふまえて、大切にしていきたい「ふるさと」についてあなたの考えを、これまでの経験に関連付けて、600字程度にまとめて書きなさい。

引用:平成31年度和歌山県立中学校

※国立中学校の作文問題はネット公開されていないため転記しませんでした。

 

このように

・自分の考えを、いくつかの体験や情報を組み合わせながら書くもの

・提示された文章を読み、それをふまえて自分の考えを書くもの

・表やグラフなどを読み取り、その結果をもとに自分の考えを書くもの

いくつかありますが、どのパターンでも自分の考えを伝えるための「表現力」、与えられた情報を読み解く「分析力」、また文章を構成していく能力も必要です。

自信をもって言える…!対策なしじゃ無理だ!!

ただたんに、文章を書くのが得意というだけでは無理。

決められた時間内に決められた文字数で、それなりにまとまった文章ってだけでも大変なのに、それだけでは足りない。

「自分の考え」っていう、一見してもそうだけどよく考えても評価のモノサシが分かりにくい、この壁があるのだ!

自分の子どもが「何ができなくて」「何なら得意」っていうのを知っておくのも非常に大事です。

 

国立中学の作文問題の文字数

出題形式や年によって様々ですが、多くは400字前後。

少ないところで200字~、多いところで600字という感じでしょうか。

文章が苦手な子でも、最低300字くらいは書けるようにしておきたい。

 

国立中学の作文問題の出題形式

作文問題が1問っていう場合もあれば、2問に分かれているという場合も。

それでも、「問1:100文字 問2:200文字」とう出題形式よりは、「問1:簡単な答え 問2:300文字」というふうに、短文を分けるよりも長文にして出題されることが多い気がします。

個人的にですが。

だからやっぱり、それなりの文字数を書けるようにしておくことは必要かなと思います。

 

国立中学の作文問題を解く時間

40分~45分が平均的。

問題文を読みとく時間を考えると、20分~30分くらいで書ききらなきゃいけません。

実際にさせてみると、かなりタイトな時間配分になります。

 

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国立中学校の作文対策に必要な知識と書き方について

作文力向上のための教室ってけっこういっぱいあって、通信教育とかもあるんですよね。

ですが、けっこういい値段です。

わが家の方針としては「受検に使う費用を極限まで少なくして受検」なので、通信教育は考えませんでした。

代わりに使ったのは、こちらの問題集。

こちらは主に、子どもに書かせるよりも私の勉強として使いました。

「こういうふうに書かせたらいいんだ」っていう勉強の一環ですね。

 

中学受検で求められるのは「作文」ではなく「小論文」ではないか

前記した過去問を見ても分かる通り、中学受検で出題される作文問題は、「作文」ではなく「論文」に近いものがあります。

ここで一つ。「作文と小論文の違いってなんなのさ?」と。

作文:思ったことや感想を書く

論文(小論文):決められたテーマに対して論じる

これについては前述した『作文力をつける』の著者である樋口裕一さんが分かりやすく紹介してくれてるんですが、

「小論文」というのは、ふつうイエスかノーで答えるもので、作文はそうではないのです。

つまり、決められたテーマや問いかけに対して、自分がどのような立場をとるかというのを、はっきりと決めてしまうのが論文ってことですね。

 

そして小学生の場合、ふわふわとしたイメージの作文・感想文よりは、小論文形式のほうが書きやすいんじゃないかとも思うんですね。

自分のポジションを決めてしまえば、あとは定型通りに書いていけばそれなりに完成するからです。

 

ここで一つ、疑問が出てこないでしょうか。

作文の問題には、「YES・NO」にならない出題もあるけど…

そうなんですよね。

前記した公立中高一貫校の問題でも『人とのつながりは何か?』みたいに聞かれちゃうと、肯定も否定もないじゃないか!と。

こういうときのことも、樋口裕一さんの本で書かれていて

たとえ設問が「○○とは何か」「○○について意見を述べよ」となっていても、「○○は正しいか?」「○○は…か?」といった、直接的にイエスかノーかを聞く形式の問いに、自分で変えてしまえばいいのです。

こうやってしまうとテーマがはっきりして、同じ型を使いまわすことができるようになるわけですね!

『人のつながりは何か?』だったら…

「人とのつながりは○○だと考える。なぜなら…」とつなげていくというふうでしょうか。

 

国立中学受検の作文の構成は?

マイナビ家庭教師の『中学受験ナビ』では

読み手を説得するための論文には、どんな時も変わらない一定の「型」があります。

1)主張(自分が言いたいこと)

2)理由(なぜそう言えるのか)/具体例(たとえば……)

引用:マイナビ家庭教師『中学受験ナビ』

最初の段階はここからで、あとは慣れてきたら肉付けをしていくとしています。

肉付けがきちんとできあがれば、200字くらいの文章は形になるのではないでしょうか。

また、今回頻出している(!)樋口裕一さんの著書では、小論文の構成は4段階にしており

ホップ:イエスかノーかの問題をはっきりさせる

ステップ:どちらの立場をとるかをはっきりさせる

ジャンプ:そう考える理由などを書く

着地:全体整理とまとめ

どちらにしても、型に当てはめていくことで慣れやすくなるのではないかと思います。

 

国立中学受検の作文に必要な知識は

しっかりとした文章を書くためには、知識と教養が必要。

これは過去問をいくつも見ていると分かりますが、そもそもの知識がないと書けないっていうのも多いんですよね。

社会科の勉強をしっかりすることでも身につきますが、新聞やニュースなどに目を通すことも必要かなと思います。

最初からガッツリと新聞を読むのは大変なので、

・天声人語のような社説

・新聞の投書欄

などから始めてみてもいいかもしれません。

 

ちなみに、うちの子はまったく時事問題に興味がなくてものすごく困ったんですよね。

そんなときに読み始めたのがこちら。

アエラの子ども版、『ジュニアエラ』

まるっきり時事問題というわけではないですが、比較的読みやすくまとまってます。

月に一回の発行なのでタイムリーではないですが、そこそこ重要な部分は書かれています。

子どもが飽きずに嫌がらずに読みきれるっていうのが、何よりのポイント。

 

そしてこちらもそれほどタイムリーではないですが、気軽に知識を増やしたいならおすすめ。

【次世代通信5G①】〜5Gで世界は変わる!インターネットが普及した時以上の変革が起きる〜

ご存知、オリエンタルラジオのあっちゃんのチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』

時事ネタは少なく、日本史や世界史、文学が多めですが、楽しく学べます。

子どものころにこういう番組があったらなぁと、今の子どもたちを少しうらやましく思ったりする。

 

国立中学受検の作文対策に必要な問題集は?

わが家では親が先生代わりになっていますが、できるのであれば、プロの先生に添削してもらったほうがいいと思います。

なぜなら、作文には正解がないからです。

ちゃんとした回答が用意されているものであれば、親でも解法を導くことはできるけど、どのレベルまでいけば合格なのかがはっきりしていない分、ジャッジは難しいです。

作文力強化のための通信教育については、こちらでまとめているので参考にしてみてください。

国立中学受検の作文力対策の通信教育は?代表的な6社を徹底比較!
国立中学受検で必須ともいえる作文力。向上させるための通信講座の代表的な6社の費用、仕組み、指導内容などを徹底比較してみました。

 

小学生の作文力向上のための問題集

さて、わが家が使っているのは何度も何度も登場している『作文力をつける』という問題集。

その他にも作文力向上のための問題集はいくつか出ているので、紹介します。

 

作文力で合格!公立中高一貫校適性検査対策問題集

もうズバリな適性検査問題集。

国立中学ではなく公立中高一貫校のものですが、問題形式としてはさほど離れてはいないと思います。

少なくとも、書く練習にはなるはず。

苦手な子にここからスタートするのはなかなかハードルが高いので、慣れてきたころに買うといいかも。

 

出口汪の作文講座

小学校中学年からが対象になっている、出口汪さんの著書。

出口汪さんといえば、現代文でめちゃくちゃ有名な方ですね!『論理エンジン』はわが家にもあります。

日本語を正しく使って書けるように、3つの段落、15のステップに分けて、段階的に書き方を学べるようになっています。

はやいうちに学んでおくと、受検対策のときに役に立つのではないかと思います。

 

書く力・考える力が育つ10分間ミニ作文ワーク

書くことが苦手、嫌いという子の、入門書のような位置づけになる『10分間ミニ作文ワーク』

苦手な子は、50字書くだけでも大変だし時間がかかるもの。

少しづつ慣れて文字数を増やしていくには、こういう問題集から始めるといいかもしれません。

 

自宅でできる国立中学受検の作文対策の勉強法

わが家はまだ、本格的な過去問を解く前段階です。

書くための型作りというか、そういうのがまだできていない状態なんですよね。

 

もし十分に文章が書け、読み解く力があるのであれば、過去問を週に一つでも二つでもしていけばいいかなと思います。

そうでない場合は、「堅苦しい文章から読み解いて書く」ということに慣れなきゃなと思うんですね。

そのため、わが家が今行っているのは、新聞を使った方法

時事対策にもなるし手軽なので、わが家のように慣れていない子にはおすすめです。

 

新聞記事で小学生の作文力をつけよう

やり方はいたって簡単。

新聞記事の中から、子どもが興味を持ちそうでなおかつ時事ネタとしてちょうど良さそうなものを、親がチョイス。

チョキチョキとハサミで切って、ノートに張り付け、余白に子どもが感想や問題点などを書きます。

ときには、私が問題文を作成することも。

「これを読んで○○について述べなさい」程度のことではありますが。

 

新聞記事の中には、グラフや表が書かれているものもあります。

時には、そういったものを意識的に選んで、グラフや表から読み解くということもさせています。

子どもが書く文章はまだ日本語としておかしな部分もあるので、地道に続けていかなきゃですね><

 

作文力向上には地道な努力が必要。長い道のりと覚悟する

・本を読むこと

・知識を得ること

・語彙力をあげること

どれもこれも、一朝一夕にはいかず、長い道のりをひたすらコツコツと歩んでいかなければなりません。

文章力って本当に、すぐに向上するわけではないんですよね。

 

毎日書く必要まではないと思っていますが(今はまだ)、定期的に書かせるようにしています。

だいたいは週に一度、余裕があれば週に二度。

時間を決めて、「○○分以内に書いてみてね」という感じに。

 

まとめ

・国立中学受検に作文対策は必須

・志望校の過去問を見ておく

・書くための型を作ると便利

・慣れるまでは定期的に書く練習をしておくと良い

 

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