多くの国立中学校では、入試の際に作文課題が出題されます。
一部の入学志望者が多い学校を除き、8割以上の中学校で実施されています。
そして、子どもたちがつまづくことが多いのも作文なんですよね。
いろいろな中学校を調べてきて、また各塾主催の説明会を聞いてきて、国立中学における作文の書き方や勉強法についてまとめました。
国立中学受検では子どもの作文の何を評価されるのか
国立中学において作文の得点比率は高く、軽視できるものではありません。
適性検査が満点に近かったとしても、作文の評価が0であれば不合格になる可能性も高いです。
しかし、受検で評価される作文というのは、小学校で高評価を受ける作文とは違うわけですね。
そのため、なんらかの対策は不可欠。
「うちの子は作文得意だから大丈夫でしょ♪」
は、非常に危険なのですぐに改めたほうがいいです。
わが家でも作文の対策はいろいろ考えていて、当ブログでもさまざまな方法を紹介(チラシ裏的なものも含め)しています。
今から対策をしようという方にはきっと参考になると思うので、ぜひご覧いただけたら。
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全国津々浦々の国立中学校の募集要項を凝視していると、気が付くことがあります。
それは、作文における評価ポイント。
だいたいの中学校がこのようなことをあげています。
自分の体験や考えを文章で表現できているかを見ます
当ブログでもいくつか地域の中学校の検査内容をまとめているので見ていただけたらと思うんですが、『自分の体験』というワードが非常に多いです。
つまり、あるテーマにおいて、その結論に沿うような体験を自分の中から見つけ出し、それを文章で表現できるか?ということがポイント。
自分の考えを、という場合でも同じですね。
要は、自分の考えに説得力を持たせることができるような体験を引っ張り出してくる、ということが重要なわけですね。
おそらくではありますが、評価ポイントは「自分の体験とテーマの紐づけ」
そしてそれを正しい日本語で書けているか?ということ。
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評価される作文にするためには、「自分の体験」の引き出しを多く用意することが必要ですね!
国立中学受検で評価される作文の「体験」を見つけるには
作文に書く「体験」は、華々しいものである必要は全くありません。
ボランティアとか海外旅行とか、あればそれはそれでいいのかもだけど、そうである必要はないかと思います。
体験自体による優劣は、学校側としてもつけることはできないはず。たぶん。
だとしたら、小学生に必要な体験は日常生活の中でのちょっとしたこと。
これを「○○を学んだ体験」として、本人が位置付けることが大事なんだろうと思います。
例えばうちの子はですね、学校のクラブで合唱部に入ってるんですね。
でもうちの子はとっても歌が下手なわけです。聞くに堪えない。
だからお風呂場で毎日一人で歌っているんですが、数か月もたつと音ズレが減ってくるんですよね。
クラブの先生にも「上手になったね」と褒められた様子。
こういう体験、本人にとっては意識しなければ「成功体験」としてインプットされません。
ですが、「継続は力なり」の体験例として使えるんじゃないかと思うのです。
似たような経験が、きっとどんな子どもにでもあると思うんですよね。
・隠し味を教えたら喜んで楽しそうに料理をした
・毎日練習していたらいつも負けていた子に勝てた
・意地をはらずに謝ったら仲直りできた
ほんの些細なことでも、体験として考えると広く応用ができます。
その他、いとこや祖父母との関わり合いや、先生との対話の中から生まれる体験もあるはず。
まずは子どもに、「これは体験なんだ」と意識させて、引き出しの数を増やすことが第一かなと思います。
国立中学受検では正しい日本語と原稿用紙の使い方は必須
そして忘れがちですが、必ず押さえておきたいポイントは、
・正しい日本語を使う
・正しい原稿用紙の使い方を知る
いくら良い内容のことが書けていても、ここが間違っているとマイナス評価になります。
評価項目の中にこの2点が入っている可能性は非常に高いので、落とさないようにしたいところです。
正しい日本語ってなんだ?
「正しい日本語ってなんだ?」私も思う。
以前、塾の模試に参加した時に作文も添削してもらいまして、そのときにお伺いする機会があったんですよね。
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そこで聞いたのは、「正しい日本語」というのはつまり
・口語(話し言葉)ではないこと
・誤字脱字がないこと
・句読点を正しくうつこと
これはおそらく、入試までの日が短くても対応可能だと思います。
例えば子どもがよく使いがちな「なので~」は「だから」に変更を。
「けど」→「けれど」
「いろんな」→「いろいろな」
「伝えれる」→「伝えられる」
「できるんじゃないか」→「できるのではないか」 などなど。
また、常体と敬体の乱れも小学生では指摘されがち。
多すぎる句読点や少なすぎる句読点も、読みにくさの観点で減点ポイントです。
正しい原稿用紙の使い方
・段落の書き始めは一文字あける
・句読点や小さい「っ・ゃ」などは一文字使う
・句読点が行の最後に来る場合は最後のマスに文字と一緒に書く
・会話文はかぎかっこを使う
大人なら当たり前のことでも、子どもはつい忘れてしまうということはよくあること。
また、制限時間内に書かなければいけないと焦って、ルールをないがしろにしてしまうこともあるかもしれません。
これに関しては、日々の作文練習できっちりと身に付けておく必要がありそう。
うちの子の志望校は、作文の提出用紙が縦長横書き。
そのため、400字の原稿用紙を縦にして練習用として使っています。
100円ショップで売っているので、間違えたらどんどん書き直し。
文字数も把握しやすいので使い勝手がいいです。
丁寧な字で大きく濃く書く
これはきっと言わずもがなではありますが……。
検査官の先生方、場合によっては何百人もの作文を短時間で評価することになります。
小学生の文章なんて、読んでてもきっと苦痛でしかないでしょう。
私なんて、自分の子の作文だって読みたくないと思うことすらあるんだもん。
そんな中、読み手を配慮した作文というのはきっと評価が高いはず。
字が上手でなくても、丁寧に書くこと。
小さい字でちょこちょこ書かずに、大きな字で読みやすいように書くこと。
薄い字で書くのではなく、濃い字で見えやすく書くこと。
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正直、「建設的な意見」とか「論理的展開」とかは、能力に限りがある気もします。
うちの子はたぶん不可能。
ですが、上記の3つに関しては、本人が意識するのみで可能です。
こういうとこ、落としたらダメなとこですね!
国立中学受検での作文の書き方
これはおそらく、志望校によって違うのだろうし、方針によっても差があるかと思います。
あくまでも「私が思うこと」「私が聞いて(調べて)納得したこと」がベースになっているので、参考までに。
国立中学受検の作文問題は、さまざまな形式で出題されます。
・グラフから読み取るもの
・表から読み取るもの
・文章から読み取るもの
・絵から読み取るもの
・写真から読み取るもの
・マンガから読み取るもの
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なんでもアリですね!
今年になってガラッと変わることもあり得るので、出たとこ勝負になるかもですが。
まずするべきは、情報を整理すること。
当たり前のようで、子どもにはなかなか難しいんですよね。
そしてここでは、作文を書く上で前提となる「条件」をよく確認しなければいけません。
「単位を間違ってたー」
「数字を入れてって書いてるのに読んでなかったー」
これはわが家のあるあるです。
どんな資料だったとしても、必要なスキルは情報整理です。
アンダーラインなどを駆使して、自分が分かりやすくなるやり方を身に付けておくといいかもです。
国立中学受検で評価される作文の構成とは
これは賛否両論あるかも。
あるかもですが、私が調べたり聞いたりした結果、こういう構成だと書きやすいんじゃないかと思ったもの。
テーマに対する結論
・資料から読み解く場合は、読み解いた結果を踏まえて
↓
それを裏付ける、自分の体験
・体験はできるだけ一つに絞り、あれもこれもと書かない
↓
締めの言葉
・「だから私は~~」
上手な子はもっと違った書き方があるのかもしれませんが、うちの子の場合はこの構成にあてはめるのが書きやすい様子。
それでもうちの子には、難所が二つも。
「結論が思いつかない」と「体験が結びつかない」という致命的なもの。
これはもう、練習しかないですね。大丈夫かいな。
作文は真面目に素直に書く
それぞれの中学校で、求める生徒像は違うはず。
だからこれは、わが家の志望校だけに言えることなのかもしれないですが。
国立中学校は、研究の場であるというのはよく知られた話。
そのために欲しい生徒は、「真面目・素直」な子なのではないかと聞きました。
要は、指導しにくい子や指導を聞き入れてくれなさそうな子は、欲しいとは思わないっていうことですね。
納得できるような気もする。
そこで私、思い出したことが。
以前に塾で作文を添削してもらったとき、「こういう飛び道具的な文章はいらない」みたいなコメントをもらったんですよね。
たしかそのときは「みなさんはどう思いますか?」「あなたはこう思うかもしれません」的なことを書いていたような記憶があります。(酷評だったので見返したくもないほど)
ちょっと面白く書いてやろうとか、試験官をびっくりさせてやろうとか。
そういうのは必要ないということなんだろうと思いました。
真正面から取り組むこと、うがった角度から書かないこと、斜に構えないこと。
文体で個性を出しすぎてはいけないんだろうと思いました。
良くも悪くもですね。
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誤解を恐れず言うならば、そんな作文、読んでて楽しいの?と思わないではないですよね…。
まあ、考え方次第なのかもですけど。
国立中学受検の作文の練習法
もちろん、自宅でできる対策もあるかと思います。
・新聞記事の要約をする
・一つの出来事について作文を書いてみる
少しづつ書くことに慣れてきたら、過去問に取り組んでみるのもいいかもしれません。
志望校だけだと数は少ないかもしれませんが、全国の国立・公立中高一貫校を含めると、かなり多くの問題が集まります。
問題の傾向を踏まえて、親が問題を作ってもいいですよね。
以下、各学校が出題した過去の作文問題例の一部です。
【倉敷天城中学校】
・国際社会で活躍するために最も大事だとあなたが考えることを一つあげ、そう考える理由を含めて200字以内で書きましょう。
・「千里の道も一歩から」ということわざがあります。遠い旅も第一歩をふみ出すことから始まるように、遠大な計画もまず身近な取り組みから開始されるという意味ですが、これから先、あなたはどのような「千里の道」に挑戦し、そのためには中学校生活で最初の「一歩」としてどのようなことをしたいと考えますか。その「一歩」を選んだ理由もふくめて二百字以内で具体的に書きましょう。
【宮城県共通問題】
・あいさつは、ほかの人や自分自身に対してどのような働きをしますか。
あいさつについてのあなたの考えをまとめ、四百字以上五百字以内で書きなさい。【京都府共通】
・あなたの好きな風景を一つ思いうかべて、その風景の中に自分がいるとして、それがどんな風景なのかを、好きな理由を交えて書きなさい。
・日本に住む小学校六年生の京美さんには、外国に住む同じ年の友人、エレーナさんがいます。そのエレーナさんから京美さんにあてた手紙の中で、「京美、あなたが美しいと思う日本語は何ですか。教えてほしい。」という文章がありました。
そこで、あなたが美しいと思う日本語について、外国の人に、その日本語がなぜ美しいと思うのか、そう思う理由を説明する文章を書きなさい。
なかなか難しいですね…!
大人が考えても、制限時間内に論理的にと思うと思わず筆が止まってしまいそう。
国立受検の作文対策をするなら添削の機会を
保護者がきっちりと添削ができるのならいいかもしれませんが、そうでないなら、添削の機会をぜひ。
「書くだけ」を続けるよりも、「添削結果を踏まえて書く」のほうが成長が早いです。
塾や通信教材を使って、どのように書けばより良い作文になるのかを、子ども自身が知っておくことは重要です。
特に試験の場合は、複数の試験官が相談しながら点数をつけていきます。
そうなると当然、「この人はマルだけど、こっちの人はバツ」ということもあるわけで、保護者以外の目線も重要です。
作文の添削を行ってくれる通信講座は
それぞれ無料で資料請求ができるので、自分の子どもに合っているものを探してみてはいかがでしょうか。
親とは違った目線での添削やテーマは、子どもの力になるのではと思います。
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