今まで、私なりの「国立中学受検に必要な作文アレコレ」を書いてきています。
正しいのかどうかは分からないけど、このやり方で一応は上の子は合格しているので、大きく間違っているわけではないのかなと自負しています。偉そうではあるけども。
さて現在私は、高校生向けの小論文の添削員をしています。
そうです!下の子の作文対策にもなるかなと思って、いっそのこと働いてみようと思って始めたわけですね。
添削員としてはペーペーなんですが、受検作文に応用できる点も見つかるの巻。
毎度のことではありますが、あくまで私が個人的に思うことなので、参考程度にとどめてください。
小論文添削員が考える国立中学合格に向けた作文の書き方
そもそも私がしているのは高校生向けの小論文添削なので、大学受験対策を前提としたものなんですよね。
小論文と作文には大きな壁があって(小論文>>||越えられない壁||>作文、みたいな)、両者は似ていながら別物です。
私は添削員としてはまだまだペーペーなので、「作文の書き方から小論文に移行していこうね」という子たちを見るわけですね。
まだ見てきた生徒の文章も多くはないし、「子どもが書くのってこうだよね」というのを体系的に理解しているわけではありません。
それでも、下の子の受検対策になるのではないかというヒントも多数あり、このやり方を学ぶことで形の整ったものが書けるようになるのではと思いました。
ポイントは「形の整ったもの」であって、独創性があるものではないということ。
ひらめきや独創性のある思考っていうのは、その子個人のものなので、作文トレーニングでは培われないかと思います。
ただまあ、小学生の書く作文において、「形が整っている」というのは評価において大きなウェイトを占めます。
こちらにも書いていますが↓

小学生の書く作文なんて、大人から見るとかなりショボショボです。うちの子なんて最たる例。
比較論的に評価をつけていると思うので、「それなりの形になっている」というだけで優位に立てるかと思います。
文章の評価には採点基準がある
私が行っている小論文添削では、採点基準がかなり詳細に記載されています。
・文法の誤りは、ここまではセーフでここからはアウトで減点
・仮名遣いはここまでは許容してあげる
・ミスが何個あったらこの項目は何点まで
添削員は私以外にも何人もいるので、採点者の裁量に任せていては評価がブレまくります。
そのため、基準となるものを明確に用意しておくわけですね。
国立中学の作文がどのように評価されるのかは公開されていないことのほうが多いですが、おそらく基準が設けられていることと思います。
何百人もが受検する国立中学において、1人が採点を続けるなんて無理。
複数の人が採点するのであれば、基準がなければ採点者によって不公平が生じます。
小論文よりも作文のほうが許容される範囲が広いとは思うんですが、採点者の側にたって考えてみると、「点数に差がつかない」というのは避けたいところ。
小論文も作文も基本的には減点方式なので、許容項目が増えすぎると点数に差がつかないんですよね。
じゃあ内容で判断となると、採点者によって変わっちゃうので、内容での判断だけで決めるのは危険。
総合的に考えて、表記や表現分野では
・そもそもの原稿用紙の使い方の把握
・誤字脱字仮名遣いと送り仮名
・話し言葉の使用
・基本的な文法の誤り
ここらへんが、中学受検での作文の主な減点対象となるのではないかと思います。
原稿用紙の使い方
これはわが家、直前まで間違っていたので、小学生には難しいんでしょう。
・段落初めは1文字あける
・行頭に句読点をつけない
・かぎかっこの使い方
などが代表的です。

直接「原稿用紙の使い方」というわけではないですが、前に書いていた文字が消しきれていないというのも、減点対象になるかと思います。
原稿用紙の使い方に関しては、ネット上に紹介してくれている方がたくさんいるので、そちらを参考にしたほうがいいかも。
塾に行っている場合は、先生から直されたものを書き留めておくといいですね。
誤字脱字仮名遣いと送り仮名
こちらも小学生にはあるあるです。
これらは間違いなく減点対象になるかと思われるので、ぜひ日常的に漢字の練習を。
忘れがちなのが、「漢字で書けるものを書いていない」というもの。
簡単な漢字をひらがなで書いていると、それもミスとして換算されてしまうこともあるので注意です。
送り仮名には、常用漢字と内閣告示のものと2種類があります。
例えば「暮らし」は常用漢字での送り仮名、「暮し」は内閣告示の送り仮名。
どちらも間違いとは言えないんですが、子どもに親しみ深いのは常用漢字のほうかなと思います。
これに関してはミスにはならないとは思いますが、修正できる時期ならしておいたほうが安全かもしれません。
話し言葉の使用
これは小学生だけでなく高校生でも非常に多いです。
話し言葉とは思ってなかったというパターンや、頭の中で考えたことをそのまま書いてしまったというパターン、両方存在します。
そこまで厳密にはチェックされないとは思いますが、中学受検での作文でも減点対象です。たぶん。
代表的なのは
・「なので」「だって」「なんで」「やっぱり」「ちゃんと」
・「そうじゃなくて」「なんか」「~しなきゃ」「~じゃない」
小学生に特に多いのは「なので」じゃないでしょうか。
文頭に使っちゃうやつですね。「苺は甘い。なので、私は苺が好きです。」みたいな。
小学生の作文にどこまでが求められるかは分からないけど、親が見て「あれ?」と思うものは修正しておいたほうが無難。
1度言っただけで治るわけではないので、その都度、声をかけるようにしたほうがいいかなと思います。
基本的な文法の誤り
これってたぶん、自分が書いたものを読み返すことができたら気づくはずなんですよね。
「なんかしっくりこないな」と思うはず。
だけど作文って、基本的には時間が足りなくてギリギリ書き終わるもの。(うちの子だけかもだけど)
代表的な文法の誤りは
・「なぜなら~からだ」の形になっていない
・「~たり、~たり」の形になっていない
「なぜなら~からだ」に関しては、「なぜなら」があるなら理由の後には「からだ」をつけようよと。
並べて述べるときは「本を読んだり書きます」ではなく「本を読んだり書いたりします」にしようよという感じ。
主述がごちゃごちゃになっている場合もあると思うんですが、これに関しては、1文を長くしすぎないことに注意すると、ある程度は回避できるのではと思います。
一般的に1文が50字以上になると長いと思われるので、仕方ないときもありますが、短めに区切るようにするといいかも。20字から30字くらいに。
作文課題の評価は指示に沿っているかが大きい
作文課題では、初めに指示が出されます。
「小学校で一番がんばったことは?」「読書することの意味は?」などなど。
この指示に沿うというのが、大前提となります。
んでですね、こんなの日本語が読めれば簡単じゃんって思うじゃないですか。
でも意外と難しいものなんですよね。
例えばですね、「中学生になってがんばりたいことや挑戦したいことは何ですか?」だったとするじゃないですか。
この場合に必要なのはもちろん、がんばりたいことや挑戦したいことをあげること。
複数でもいいですが、できれば一つに絞って書いたほうがいいと思います。
んで構成としては、「○○に挑戦したいです!」→「理由は○○です!」→「このように…(まとめ)」というのがオーソドックスですね。
重要なのは、出題者が何を知りたくてこの課題を出したのかということです。
挑戦したいことを問われたとき、子どもによっては今までの経歴を書いてしまうことがあります。
私は部活動のテニスで全国大会優勝を目指してがんばっていきたいです。
~
私がテニスを習い始めたのは〇歳のときです。最初は両親にすすめられて始め、嫌々ながら通うことも多かったと聞きました。ですが何度も通ううちにできることが増え、先生が打った球を上手に返せるようになってきました。ラリーが続くようになるとテニスが楽しくなってきて、週に一度の教室が楽しみで仕方なくなってきました。
これは私が書いた例文。
中学受検の作文でどう評価されるかまではわかりませんが、高校生の小論文でこういう形で書いてしまうと減点です。
聞きたいのは「これから」であって、今までのことを聞きたいわけではないから。
論旨を読み取れていないということで、評価は下がります。
ですが「出題者の意図を読み取る」なんて、小学生にはムリ。
そんな難しいことができるのなら、親の手何て借りなくても一人で受検できます。
中学受検の作文で書くべきなのは、今の自分の考えかと思います。
そしてその考えを、体験を具体例としてあげながら示していくというのが王道スタイルかなと思います。
さきほどのテニスの例でいうと
私は部活動のテニスで全国大会優勝を目指してがんばっていきたいです。
~
私は小学生のときにテニスを習い始めました。最初はうまくできず嫌になることもありましたが、毎日自宅で練習を続けるうちに試合で勝つことができるようになりました。そのときの嬉しさや充実感、がんばってきてよかったという報われた気持ちを、今でも忘れることができません。私はそのとき、諦めずに努力すればどんな挑戦でも報われるということを知りました。
うーん、どうだろう。分からないけど。
実際には努力しても報われないこともあるわけで、言ってること浅くない?と思わないでもないけれど。
小学生なので、自分のがんばりたいことや考え方に前向きになっているほうが好感が持てます。
400字の作文は構成を決めておいたほうが書きやすい
これに関しては、こちらで詳しく書いています。

400字の場合は、段落数は3つに分けるのが一般的。
「質問の答えを書く」→「その根拠を体験や具体例などで説明する」→「まとめ」
この構成に沿うと、採点者が採点しやすく、採点しやすいということは評価が高くなりやすいということです。
ぜひ一度、子どもの作文で試してみてください。
まとめ
私なりの作文に対する考え方なので当てはまらないこともあるかもですが、参考までにです。
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